フロートリグを習得し更なるアジングの高みへ
以前こういう記事を書いた。
singing-ajinger.hatenablog.com
未だに私のブログでは検索上位の記事である。
なぜそれほどにフロートリグを検索する方が多いのだろうか。
- 使い方がわからない。
- 飛距離で悩んでいる。
- 釣果で悩んでいる。
おそらく上記のどれかに当てはまって検索されているのだろう。
そこで今回は、より分かりやすいようにアジングのフロートリグに焦点を当て、それぞれを解説してみよう。
1.使い方がわからない
アジングで最も使用されているリグはジグ単だろう。
これは間違いないと感じる。
私もアジングやメバリングといったライトタックルの釣りはジグ単からスタートした。
キャロやフロートを使用するようになったのは、その後しばらくしてからだった。
始めは操作感やアタリの出かたがジグ単とはまるで違い、扱いずらいと感じてしまったが、慣れた今では無くてはならない武器になった。
まさに『習うより慣れよ』とはこのことだが、何もないゼロからでは慣れようもない。まずはこの記事で『習う』を学び、『慣れ』るために積極的に使用してみよう。
1.1リグの作り方
上記の図のようにリグを組めば、フロートリグの完成。
フロートはTICTのMフロートやArukazik Japanのぶっ飛びロッカー等、好きなもので良い。
スイベルとフロートの間にあるクッションゴムを入れ忘れないように気を付けよう。
ジグヘッドは狙うタナの深さや潮流等で重量を変えるのが適切だが、少し重めのモノから始めて、感覚に慣れてから軽いものに変えていくようにすると良い。
ジグヘッドはリーダーと直結でも良いし、スナップを入れても問題ない。
ただ、ぶら下げた時の姿勢が良くないものはやめておいた方が良い。
1.2キャスト~着水まで
ジグ単ではキャスト時の垂らしを短く(バス投げ)する方も多いが、フロートリグは垂らしを長めに取りペンデュラムキャストすることを推奨する。
この時にティップリーダーがあまりにも長すぎると、フロートの位置はティップ側に寄り、投げづらくなってしまう。ティップリーダーは長くとる場合でも60cmくらいまでにしておこう。
飛行時の姿勢はフロートが先行し、ジグヘッドはその後方を追従するカタチになる。(下記画像参照)
そのままの状態で着水すれば、ジグヘッドがメインラインを拾ったりしてライントラブルに繋がため、着水直前にサミングしジグヘッドをフロートよりも前方へ着水させよう。(ナイトゲームでは着水の瞬間が見ずらく感覚で行わなければならない為、デイゲーム等で着水のタイミングをしっかりと掴んでおくことが重要)
1.3リーリング・アクション・フォール
着水直後の状態からラインテンションを保っていれば、ジグヘッドはフロートを中心にカーブを描きながらフォールし最下点で止まる。
この状態がフロートリグの基本姿勢だと思っておこう。
この基本の状態からアクションやリーリング、フォールを駆使してアジを狙って行くのだが、感覚がつかめないうちは何をしているのかイメージさえも湧かないことだろう。
そこで、基本的なアクションとそのイメージを図で説明しよう。
1.3.1リーリング
いわゆるただ引きというやつで、アジが高活性である時にはこれだけでも良い。
ジグヘッドの沈下速度よりもリーリング速度が早い場合は、基本の状態のタナをキープしながら水平移動する。
デッドスローやスーパーデッドスローでリトリーブした場合、ラインテンションを保ったままの状態でステイすれば、ジグヘッドはゆっくりと下降しながら前方移動する。(ジグヘッドが軽すぎる場合には下降しない)
これはフォールという感覚ではなく、タナを移動しているという感覚でいたほうが正解だ。
この時の下降するスピードはリーリング速度とジグヘッドの重量で変わる。
基本は、ジグヘッドが重くなれば早く下降し、リーリング速度が遅くなるほどに真下に向いて下降するようになる。
このバランスでアジの居るタナを自由に探ることが出来る。
これを知らずにティップリーダーの長さ程度しか探れないと思っているアングラーも少なくない。
1.3.2アクション
ジグ単ではロッドティップをチョンチョンとさせジグヘッドをフワフワとさせたり、ピッピッピッと動かしてキビキビとダートさせたりする。
フロートでもロッドティップの操作でジグヘッドに同じようなアクションをつけることが出来る。
しかし、ジグ単とは違いジグヘッドの移動方向がやや上向きになることを念頭に置いておかなければならない。
これはフロートの方向に向かってラインが引かれるためであり、アクションの仕方によってはタナを大きく動くことにもなるので、ロッド操作は控えめに行う方が良いだろう。
アクションの中で最も食わせる瞬間を意識するタイミングは、ジグ単でもキャロでもフロートでも、やはりアクション後のフォールである。
1.3.3フォール
ジグヘッドのテンションフォールはロッドティップを中心とする大きな円運動( ココをタップで説明記事へ)であるのに対し、フロートでのテンションフォールはごくゆっくりとした移動でしかない。(上記1.3.1のスーパーデッドスローリトリーブ時の図と同じ)
これではフォールに反応するアジに対しては不適切であり、口を使わせることは困難である。
では、どうすれば思い通りにフォールさせることができるのか。
その正解は、ラインを送ってやること。
この時に最も注意すべきは、ラインテンションを完全に抜いてしまわないこと。
なぜなら、完全にフリーでフォールさせてしまえば、フォール姿勢が安定しないどころかアタリを感じることすら出来なくなるからだ。
ジグヘッドの沈降速度に合わせて、ロッドをライン側へと倒して行く事でテンションをキープしたまま(アタリを感じられる状態で)ジグヘッドをフォールさせることが出来る。
アクションやフォールを行うことで、フロートは手前(アングラー側)へと移動する。
しかし、その移動距離はジグ単に比べれば遥かに短い。
アクションやフォールは常にフロートを軸にしているため、縦方向にゆっくり時間をかけて探ることが出来る。
フロートリグは、アジが沖の潮目やヨレに溜まっている場合等にピンポイントで長時間魅せることの出来る唯一のリグなのである。
1.4アタリ ~フッキング
ジグ単に比べれば、アタリの感度はどうしても落ちてしまうのがフロートリグだ。
ジグ単ではロッドからジグヘッドまでのラインを真っ直ぐにできる。
遮るものが何もなく、ラインを通してジグヘッドの感覚がしっかりとロッドに伝わる。
それに対しフロートリグは、ジグヘッドとロッドの間にフロートがある。
このフロート部分で一度ラインが曲がってしまうから、どうしても感度は落ちてしまうのである。
しかし、ラインテンションさえ抜かなければ水中の情報はしっかりと伝わってくるのも事実だ。
先にも説明したように、アタリが多く出るタイミングはアクション後のフォールである。
このタイミングでラインテンション(ジグヘッドの重み)を感じられなければ、アジを掛けることはできない。
フォールのタイミングで、しっかりとテンションを感じつつ水中の変化を感じ取ることが釣果へとつながる。
アタリの出方は様々であるが、一番多いパターンはカツっとかコツっとかをロッドで感じるアタリである。
次に多いのが、違和感しか感じないアタリ。
フォールで感じていたテンションがフッと抜けたり、ボトムでも無いのに送っていたラインが止まったりする違和感だ。
このようなパターンのアタリでは基本的に即合わせが肝心。アタリを感じた瞬間には体が勝手にフッキングの動作をしているような状態になれるよう、集中しておくことが大事。
あと、フロートで意外に多いのがひったくるパターンのアタリ。
この場合はオートマチックで針掛かりしているのでフッキングは不要。
この時に慌ててロッドを立てたりフッキングしてしまうと口切れし、バラシてしまうことになる。
2.飛距離で悩んでいる
このような方は、先ずこの記事を読んでみてほしい。
singing-ajinger.hatenablog.com
ジグ単でも、2.5gや3.0gを使えばそれなりに飛距離は出せる。
それでも飛距離が足りないと感じるようになった時には、キャロやフロートの出番になるわけだ。
飛距離が全てとは言わないが、ジグ単で届く距離なんてたかが知れているのも確かだ。
キャロやフロートという選択肢を手に入れることが出来れば、更なるアジングの高みへと邁進することができよう。
キャロやジグ単でもウエイトを重くすればフロートと同じように飛距離は出せる。しかし、ウエイトを重くするほどにアクションやフォールのスピードは上がってしまう。
それだとアジのゾーン(タナやストラクチャーや潮目)をあっという間に通り過ぎてしまうのだ。
しかし、フロートならば飛距離やタナを保持しつつアジのゾーンでリグをしっかり魅せることが可能である。
もしフロートリグに挑戦してみたくなったなら、この記事を参考にし是非トライしてみてほしい。
3.釣果で悩んでいる
ここで考えられるのは、
- サイズが出ない
- 数が出ない
のどちらかだろう。
前者(サイズが出ない)の場合は、この記事の「2.飛距離が出ない」に直結している問題でもある。
ショアからのアジングでは、ギガアジやテラアジといったサイズのアジを獲ることは至難の業である。
それなのに、ジグ単で探せる範囲ばかりを狙っていても良いサイズに出逢えないのは当たり前なのだ。
アジが当たり前に居そうなポイントでは、当たり前のサイズしか出ないのが実状。
某動画サイトやTV等で、ショアジギングで良いサイズのアジが出ていたりするのを見かけたことはないだろうか。
これは、青物が回遊するようなポイントこそデカアジが居ると教えてくれているようなものである。
そのようなポイントに少しでも近づけるためには、飛距離は欠かすことの出来ない重要なファクターであることに気付かなければならない。
後者(数が出ない)の場合には、フロートリグでは手助けすることは出来ない。
フロートリグは、はっきり言って手返しが良くない。
飛距離とゆっくりとした誘いがウリのフロートリグでは、ジグ単やキャロのような手返しの良さは望めないのが事実だ。
ジグ単で釣れる状況ならばジグ単で掛けていく事が一番手返しがいいだろうし、ジグ単で届かない範囲にアジが居てキャロで拾えるのならば、キャロで掛けるのが正解だろう。
キャロやフロートで届く範囲であり、キャロのスピードでは食いきれない状況の場合においてフロートが活躍する。
また、シャロ―エリアを攻めるときにも大いに活躍するのがフロートリグだ。
キャロやジグ単では、すぐにボトムについてしまう。
それを回避するためにはリーリング速度を早くしなければならない。
しかし、早い速度の誘いでは食わない。
そういったときに、フロートであれば飛距離を稼ぎつつ魅せる時間、食わせる時間をしっかりと作ることができるのだ。
手返しの良さは見込めないが、ジグ単やキャロでは釣りにならない状況でもフロートリグならば可能だったりする。
アジングにおけるリグの選択は適材適所であり、それをしっかりと判断できるようになることが釣果への近道になるだろう。
最後に
アジングは、詰めれば詰めるほどに奥深さや難しさを感じる釣りである。
それと同時に、しっかりと知識を蓄え経験を積み重ねて行く事で、上達を肌で感じることができ、楽しさを喜びを体感できる釣りでもある。
アジングという分野が確立されてから今日までに、様々なタックルやルアーやリグが考案されてきた。
その中で一つのモノに拘るのも一興だが、それに固執することなく、多様なタックルやルアーやリグを使用することで自分のポテンシャルを広げられれば、きっと見える世界は大きく変わっていくことだろう。