子どもと釣りに行く時のススメ
「久しぶりに魚釣りに行きたい」
先週末に息子がポツリと言った。
その時の私は日々の残業で疲れていたせいもあって、その会話をキャッチボールせずに一方通行で終わらせてしまった。
数日が経過し、ふとあの時の息子の言葉が頭の中をよぎった。
子ども達の「○○したい」には出来るだけ応えてあげたいと思っていたのに、あの時に何も言葉を返せなかった自分に酷く嫌気がさした。
近いうちにまた魚釣りへ連れて行ってあげようと思っている。
世の釣り好きなお父さんやお母さんも同じような経験があるのではないでしょうか?
これから子どもと一緒に釣りを楽しみたいと思っている方や、一緒に行ってもうまく楽しめていない方へ、ファミリーフィッシングの良い部分や注意点、楽しみ方等を教えます。
家族釣行での経験者の立場
子どもと釣行するときに自分の釣りが思うように出来ないのは覚悟しなければいけないでしょう。
子どもがある程度自分で出来るようになれば、少しづつ余裕もできるかもしれないのですが、それにはある程度の年齢が必要ですし経験を重ねなければいけません。
子どもが小さいうちや経験の浅いうちは、道具の扱いも分からなければ何が危険なのかも知らない。
そんな時に経験者が自分の好きなことだけをしていれば、海に落ちたり、釣り針が刺さったりといった事故にも繋がりかねません。
家族で釣行するときには、経験者はインストラクターなんだという気持ちで望まなければいけないのです。
子どもや未経験の人にとっては、経験者が指導者であり先生なのです。
一緒に釣行することを決めたのであれば、キッチリと気持ちを入れ替える必要があります。
家族釣行のメリット
子どもにとって自然と触れ合う経験はとても貴重です。
世の中には魚釣りを一生涯経験することの無い人もいるでしょう。
しかし、魚釣りという自然と向き合うことの出来る遊びを経験しないことは非常に勿体ないことだと思います。
暖かな日差しの中潮風を感じ、眼前に大きく広がる海を見つめる。
耳に入ってくる波のせせらぎは心地よく繰り返し、時間を忘れさせる。
手に握るロッドから垂れたラインは海中の生命感をしっかりと伝え、自然の豊かさを教えてくれる。
家でテレビゲームをしていては味わうことの出来ない素晴らしさが沢山詰まっているのです。
自然を肌で感じられることこそが最大のメリットでしょう。
釣った魚を自分で食べることにも、一つのメリットがあります。
実際に生きている魚を自身で釣り上げ、料理し、食べる。
そうすることで、日々の食事で「命」をいただいていることを実感できるはずです。
こうして「いただきます」という言葉の大切さを知るのです。
また、料理を共に行えば魚の捌き方や調理法を学ぶこともできます。
さらに、食物連鎖を知ることもできます。
家族釣行での注意点
これは、やはり危険が付き物だということです。
海に落ちる、毒のある魚に触れる、釣り針が刺さる等々。
魚釣りには数えきれないほどの危険が潜んでいるのも事実です。
しかし経験者は、どんな行動が危険なのか、どの魚に毒があるか、どんな道具に気を付けるべきなのかをよく知っています。
つまり、経験者がしっかりと観ていれば回避できるのです。
靴や帽子、服装、ライフジャケット等もしっかり準備していれば身を守ることができます。
もう一つ上げるとすれば、他の釣行者の迷惑になってしまうということ。
子どもは楽しいときは大きな声ではしゃぎます。
ゆっくりと釣りに集中したい方にはとても迷惑な行為です。
これも経験者である私たちがちゃんと指導しなければいけない部分です。
家族釣行の道具
最初は釣具店にある竿とリールの格安セットで十分です。
最初は道具をぶつけたり、地面にベタ置きしたり、最悪の場合には竿を折ってしまうことも考えられるからです。
道具の扱いに慣れ、ちゃんとしたものが欲しくなった時に、それなりのものを購入してあげましょう。
自分の使用していないロッドやリールの余りがあれば、それで始めてみてもいいでしょう。
しかしこの場合は、傷むことを覚悟しなければいけません。最初から上手く扱えるはずがないのですから。
私の場合は、何本もの使用していないロッドやリールがあるので、それを使わせるようにしています。
そして、一人前に道具を扱えるようになった時にロッドとリールをあげると約束しています。
このような約束をすることで、子どもの向上心を高めることもできます。
一緒に釣行して楽しめない経験者へ
これは自分の釣りをしたいと思っているから楽しめないのです。
常に指導者の立場であることを意識しましょう。
あなたは先生なのです。
ですから、子どもの喜びを自分の喜びにしましょう。
初めて教えるときは、道具の使い方や餌の付け方等、教えることはとても多く苦労します。
教えたことが上手く伝わらなかったり、思うようにいかずにイライラしたりするかもしれません。
そんな時には、一旦休憩をする等して冷静になりましょう。
親のイライラは、自分が思っている以上に子どもに伝わります。
そうなってしまえば、どちらも楽しめなくなってしまいます。
楽しむ最大のコツは、子どもと喜びを共有することなのです。
上手くできた時や釣れた時には子どもを誉め、一緒に喜びましょう。
「上手くできたね~」や「釣れたね~」
等といいながら、心の中で
「上手く教えられた」
と喜べばいいのです。
こちらが一緒に喜ぶことで、子どもも嬉しい気持ちになって、笑顔になり、それが自信へと繋がっていくのです。
そして、その時の子どもの笑顔をしっかりと見てください。
心から楽しそうに笑っているはずです。
その笑顔をみれば教えた苦労なんて忘れてしまえるほどに、とても嬉しい気持ちになるでしょう。
このように、指導者的立場で楽しむのが経験者である私たちの務めなのです。
子どもと何度か釣行している方は気付いているかもしれませんが、子どもはとても吸収が速いです。
最初にしっかり教えたことは、二度目にはある程度覚えているのです。
こうして釣行を重ねることで、少しづつですが余裕が出てきます。
何度も一緒に釣行することで、一緒に「釣る」ということが出来るようになるのです。
子どもと同じ趣味を共有できるようになれば、さらに楽しい生活が出来るようになるでしょう。
ただ、一緒に「釣り」を楽しんでいても、常に子どもに気を配っておかなければいけないことは、忘れてはいけません。
最後に
「釣り」は、自然の中で楽しむ遊びだからこそ、子どもに経験してほしいのです。
先にも伝えたように素晴らしいメリットが沢山あります。
時代の変化とはいえゲームやネットが普及し、子どもが自然と触れ合うことが少なくなっているように感じます。
私の子どもの通う小学校でも、友達同士がグラウンドにあつまりゲームをしている様子を見掛けたりします。
せっかく外にいるのに、勿体ないと思ってしまうんですよね。
釣り好きなお父さんやお母さんは、是非子どもと一緒に釣行してもらいたいものです。