水急不流月

信じる道を突き進め

「マナー」というよりも、そんなことくらいは「常識」だろう?

曇天の週末ほど気分の高揚する日は無い。

「曇り空と岩場」の写真

できれば小雨でも降って欲しいものだ。

こんなことを言ってしまうと行楽予定の方達から白い目で見られてしまいそうだが、私にとっての好天がソレなのだから仕方ない。

 

アジンガーやエギンガー等のアングラーが溢れかえる週末の海岸線。

それが雨天ならば、めっきり減るというもの。

普段ならば、必ず誰かしらが入っているようなポイントですら空いていたりもする。

 

それなのに、なぜ雨天での釣行をしないのか。

私はとても勿体ないように感じる。

「寒い」や「濡れる」、「釣りづらい」「集中できない」等の思考は全て人間サイドの観点であり、そのような思考は贅沢でありワガママなのだ。

 

自由に休日を作れる方や、不労所得だけで生計を立てている方達ならば、晴れた凪の平日に釣行することだってできる。

しかし、そのようなことが可能な人は僅かだろう。

私のように会社で定められた休日にしか釣行できないアングラーがほとんどのはずだ。

そんなタイミングでしか釣行できないが故に天候などを選んでいられるはずも無く、週末が好天であるなら尚更そういったアングラーが多く釣行しているに決まっている。

 

もちろん晴天の凪の日に思い通りのポイントへ入れたのなら、それが一番気持ちに良い釣りになることくらいは知っている。

しかし昨今のエギングやアジングブームに乗っかってアングラーが激増している今、思い通りのポイントへ入ることはおろか、釣り場を探すことに終始時間を費やしてしまう日だってあるのが現実。

だから私は、雨天や荒天の週末を好むようになってしまったのだ。

 

また、アングラーが増えたことにより釣り場が減っていってしまっていることも確かだ。私も長年釣りを趣味としてやっているのだが、その間に釣り禁止になったポイントは幾つも知っている。

このことに関してはいつも、「マナー」の良くない釣り人が、、、等と言われるが実際は「マナー」以前の問題であると感じる。

 

釣りの「マナー」に関してどんなものがあるのか考えてみてほしい。

私は渓流等での釣りは全くしないが、先行者が居た場合は無断で追い越して上流へ行ってはいけなかったはず。

他には「稚魚や外道等の不要な魚はリリースする」くらいのものだろうか。

『釣り』という分野での独自の「マナー」なんてものは、そんなに多くは無いはず。

それ以外の

「釣り場を汚したら綺麗に流して帰る」

「釣り場で大声で騒いだりしない」

「ゴミは捨てずに持ち帰る」

なんてものは、「マナー」というよりも「常識」の範囲だ。

 

生活していても、スープをこぼしてしまったりコーヒーをこぼしてしまうことだってあるだろう。

普通ならば自分で拭き取ったりして綺麗にするはずだ。

 

夜中にギターをアンプに繋いでジャカジャカギュイーンなんてやってる奴なんかいないだろう。

もしそれをしたならば、苦情がきて自分が居づらくなってしまうというように、最終的には自分が困ることを自ずと理解しているからだ。

 

自分の家で、タバコの吸い殻をどこそこに投げ捨てることも無いだろうし、要らない袋やコーヒーの缶、ペットボトルを散らかしたままや置いたままにしておいたりはしないだろう。

 

これらの行動は全て「自分が困る」ということに直結している行動でありそれに対する処理であって、あくまでも生活をしていくうえでの「常識」なのだ。

それなのに、場所が変わった途端に「自分は困らない」という思考に変わってしまうのは如何なものかと思う。

「投げ捨てられたゴミの山」の写真

そもそも自分だけが困らなければいいのだろうか?

例えば、あなたの家の前の道端に毎日犬が散歩に来て便を排泄していたとしよう。

散歩している側の人からしてみれば、それが毎日のルーティンだし自分は何も困らないと言うだろう。

しかし、あなたはそれで許せるだろうか?

これが、散歩のルートになっているだけなら何も言うことは無いはずだ。

もし時々しかたなく便を排泄してしまったとしても、飼い主がキッチリと後始末を綺麗さっぱりとしてくれたなら、憤慨することもないだろう。

しかし、片付けもせずに毎日同じ行動をされたなら二度と通ってほしくはないと感じるだろう。

ここでいう犬の飼い主こそが釣り人なのだ。

 

これと同じことが釣り場では起こっている。

堤防や港は漁師さんやフェリー関係者等の方々の職場であって、釣りをするための遊戯場ではないのだ。

そんな場所で「常識」知らずのならず者どもが、釣り場で騒ぎ、汚し、ゴミを捨てて帰ったとあらば、釣り禁止になっても致し方ないと思うしかない。

 

しかし、良識のあるアングラーのみなさんならば起こせる行動もあるのです。

それは、みなさんの目と口。

他のアングラーの常軌を逸した行動を見かけることもあるでしょう。

そんな時に、勇気をもって注意することを心がけてほしいのです。

そこに釣りの経験や知識や年齢や地位なんてものは一切関係無く、大人でも子供でも年寄りであろうとも、間違った行動をしているのなら正してやればいいのです。

実際に見掛けても何も言えずでは、いつかあなたの家の前に犬のウ〇コが山のように積もっているかもしれませんよ。

 

私たちは常に「釣り場に入らせてもらっている」「お邪魔させてもらっている」という感覚でいなければなりません。

そこに生活の基盤がある方も沢山いるのですから。

プライバシーポリシー・お問い合わせ