新子エギングで「アタリ」の感覚を研ぎ澄まそう
少しづつ秋の気配が漂い始めた今日この頃。
朝晩の気温の変化が肌で感じられ始めると、胸がざわめき出す。
エギングのシーズンの幕が上がり始めた証だから。
そんなタイミングでスタートする新子の数釣りがすごく楽しい。
ただ、年中イカを追っかけているような方にとってはサイズが良くないので楽しくないかもしれません。
なぜサイズにこだわると新子は楽しく感じられないのか?
タックルが強すぎて楽勝だから。
これはスポーツと同じ。
100m走を、同じくらいの速さの人と走ると全力で掛けて、力を出し切って、爽快感を得られるものです。
高校生が、幼稚園生と100m走しても楽しめないでしょ?
そういうこと。
そして、そこにハンディキャップがあるとどうでしょう。
例えば、幼稚園生は15mで高校生が100mだったら?
こんな風に、どうなるかわからない勝負にすると楽しくなるはずです。
釣りにも同じことが適用できます。
キロオーバーを狙って獲るようなタックルで新子を掛けるから楽しくないのです。
では、アジングやメバリングといったライトタックルのロッドで掛けてみればどうでしょう?
想像しただけで、楽しそうだと思いませんか?
エギの荷重がロッドのスペックをオーバーしてしまうのですが、2号や2.5号のエギを柔らかくキャストすれば大丈夫です。
新子は思いっきり遠投しなくても釣れますから。
何より、ライトタックルでやるとどんな微細なアタリでも分かる。
フケアタリだろうと、イカパンチだろうと、全部明確。
ガッチガチのエギングロッドでは気付けていなかったようなアタリまでしっかりと手元に伝わってきます。
しかも、新子はサイトフィッシングでも十分楽しめます。
晩夏から初秋にかけては活性の高い新子が豊富で、サイトエギングもしやすい。
どうアプローチすべきか、どんなタイミングで抱くのかを知るにはとてもいい経験になります。
雑誌等でも、初心者の方や水中のイメージが想像しづらい方にオススメだと紹介されていたりする。
今回は、サイトエギングの時に覚えるべき感覚をすこし紹介しましょう。
サイトとブラインドでは頼る感覚が違う
何も考えずにサイトエギングを繰り返していてもエギングに必要な感覚は鋭くなりません。
サイトでは合わせる瞬間を目で見ている。
抱いた瞬間を見ているからアワセているのだ。
しかしブラインドの釣りになれば、合わせを入れる抱いた瞬間というのは、ロッドやラインから伝わる「アタリ」を感知して掛けなければならない。
サイトで釣りをしているときには「アタリ」を感じて掛けているという感覚は薄れてしまったり、全く感じなかったりするものである。
人間がどの感覚に頼って生きているのか考えてみてほしい。
最も情報量を多く得ているものは視覚ではないだろうか?
モノの色やカタチ、大きさ、距離、動き等々、目から得られる情報は何より多いはず。
聴覚、や嗅覚などは、目で見た情報を補足する程度だろう。
つまり、サイトフィッシングは視覚を頼りに行う釣り。
ブラインドの釣りの場合は、ロッドやリールに伝わる「アタリ」を頼りにする釣り。
つまり、触覚を頼りにしているといえる。
サイトフィッシング=視覚
ブラインドフィッシング=触覚
このことに気付かずにサイトでの釣りばかりを展開していては、ブラインドの釣りが上手になるはずもない。
「アタリ」に気付けずに獲れるはずのターゲットを獲り逃したりしている人も多くいるだろう。
エギの動きとイカの反応を覚えよう
まずサイトで最初に覚えたいのは、エギの動きに対するイカの反応だ。
エギに対して寄ったり離れたり、そうしたイカの動きを目で見て覚えておくことはとても大切。
シャクリの時の反応、フォールやステイ中のエギとイカとの距離感、違和感を与えてしまう動き等々。
ブラインドの釣りをする上で、水中のエギの動きやイカの動きをイメージするために覚えておいて損はない。
これをしっかりと覚えておくことで、水中のイメージにストーリーをつけやすくなる。(これはまた別の機会で説明すると思います)
また、サイトの際には偏光グラスを使用しましょう。
水中が見やすくなりエギの動きやイカの反応をしっかり観察することが出来るようになります。
「アタリ」の瞬間は触覚を研ぎ澄ませ
サイトとブラインドでは頼っている感覚が違うことは、先程説明した通りだ。
見て掛けることに慣れてしまうと、「アタリ」の瞬間にロッドやラインから伝わる感覚は薄れてしまう。
これは意識を変えるだけで改善できる。
エギを抱きそうだと思ったときに、触覚(ロッドを握る手や、ラインの僅かな抵抗感等)を強く意識するだけ。
それだけで、エギに触れた瞬間の「アタリ」の感覚を知ることが出来る。
ロッドにしっかりと伝わる引っ張るような「アタリ」や、じわっと重くなるような「アタリ」、ラインのテンションが一瞬抜けるような「アタリ」。
おなじイカでも「アタリ」の出方は様々なので、「アタリ」の感覚やパターンを数多く知っておくことはとても優位になるのである。
さらに、ライトタックルを使うことで、「アタリ」を大きく感じられるようになる。
ほんの微細な違和感しか感じなかったものを、しっかりと「アタリ」として認識できるようになるので、これを使わない手はない。
そうして「アタリ」の感覚をしっかりと身に付けることが重要なのだ。
キープは最小限に
新子の数釣り等でサイトはとても有効ではあるが、視覚だけに頼らないようにしよう。
「アタリ」の感覚を知るチャンスなので、ライトなロッドを使い、サイトでしっかりと感覚を鍛えれば、シーズン真っ盛りになった時にブラインドでもしっかりと掛けていけるようになります。
ライトタックルでの新子エギング。
アタリも判りやすいし、数も豊富に釣れる。
これからエギングを始めてみようとする人や、アタリの感覚がイマイチ掴めていない人にとてもオススメなので是非試してみてください。
ただ、なるべくサイズの良いヤツだけをキープするように心がけましょう。
新子を全てキープしてしまうと、全体的な個体数は減少の一途をたどり、地域の生態系の変化にまで繋がる恐れがあります。